2009年10月28日

あえて被告が手錠姿 弁護側「従来通りで」 裁判員裁判

裁判員に「被告=犯人」との予断を与えないために、被告の手錠は裁判員の前では外しておく――。そんな運用が各地で定着するなか、甲府地裁で開かれた裁判員裁判では、弁護側があえてそれを求めなかった。裁判員は被告の姿に何を感じたのか。

 22日午後。判決言い渡しのために裁判員6人が裁判官3人とともに入廷すると、被告席の男性被告(60)が両側に控えた刑務官2人に促され、手錠をかけた腕を差し出した。錠を外すガチャガチャという音が廷内に響く。20日の初公判から、裁判員の入廷のたびに繰り返された光景だ。

 全国で裁判員裁判が始まる直前、最高裁や法務省は、日本弁護士連合会の要望に応え、弁護側が要望すれば裁判員の入廷前に被告の手錠を外し、手錠姿を見せないようにする運用を認めた。

 しかし今回、地裁側の事前の相談に対し、弁護側は「裁判員裁判だからといって特別なことをするのはおかしい」として、裁判官だけの裁判と同様、裁判員らが入廷してから外す運用を求めたという。

 被告は、借金返済に苦しんで無理心中を決意し、寝たきりの母親(88)をナイフで刺したとして殺人未遂罪で起訴された。「同情をひくために、手錠姿を見せる方が効果的だと考えたのだろう」。ある捜査関係者はそう推測したが、弁護人は取材に「しょせんは小手先のことで、量刑には影響がない。必要があるのなら、裁判員裁判以外でも変えるべきだ」と話す。

 判決は懲役3年執行猶予5年だった。裁判員らは記者会見で「目の前で手錠を外されるのを見て、どきっとした」「ああいう場面はあまり見たくなかったかなというのが本心」と感想を語った。(高野裕介、福山亜希)

2009年10月23日asahi.com

http://www.asahi.com/special/080201/TKY200910220533.html
posted by 法律家 at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 司法制度改革 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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